MotoGPの第16戦 オーストラリアGPはコースが改修されて路面のグリップが大きく向上。その分タイヤの摩耗も早くなり、安全性を考慮し周回数を19ラップに変更、更には9周目と10周目のいずれかでマシンをチェンジしなければならないというルールの中で行われた。
レースはいつもの通り、ロレンゾがスタートダッシュしそれをペドロサとマルケスが追いかける展開。ルーキーでチャンピオンを狙うマルケスの走りも順調で、転倒さえしなければ3位以内は確実と思われた。だが、レースの神様(いや、FIMかも)は気まぐれだった。波乱は10週目に起きた。9週目もしくは10週目でマシンをチェンジしなければならないのに、こともあろうかマルケスはマシンをチェンジせずに11周めに突入したのである。マルケスはその周回でマシンをチェンジしたがまもなく黒旗が出て失格となった。
繰り返すが、ペース的には3位以内は確実と思われたこのレースでまさかの失格である。このレースを入れ残り3戦となり、ここからは転倒などがなければマルケスはそのまま逃げ切るだろうと思っていたが、まさか失格でノーポイントになるとは予想もしていなかった。
これでロレンゾとマルケスのポイント差は18ポイントとなり、チャンピオン争いは一気に加熱した感じだ。アドバンテージはまだまだマルケスにあるが、精神的に動揺したり追い詰められた感じになったりすると何が起こるかわからない。だが、Moto2とかでも熾烈な争いをしてきたマルケスは、いままでの戦い方を見ても精神的にもかなり強いように見える。運に見放されるようなことがなければこのまま優勝出来るはず。優勝に値する走りを続けてきているのだから、最後はレースの神様もマルケスに微笑むんじゃないかと思っている。