HDDレコーダーを手に入れて使っているうちに、
フツーの家庭からパソコンが消える日も遠くないような気がしてきた。いや、気がしてきたというより確信に近い。
現在の家庭でのPCの使われ方は、ネット閲覧や電子メール、動画の再生や加工など、ある程度用途が絞られてきているように思う。中には当然プログラミングだとかゲームにも使っている人はいるだろうが、多分少数派だ。用途が絞られてきた場合、インストールやメンテナンスなど、いちいちめんどくさいことをしないものの方が楽で良いと思うのが普通だろう。
現状はどうかというと、ネット閲覧やメールはかなりの部分を携帯でカバーできるようになってきているのは誰しもが認めるところだろう。PCが優位に立ってきたと思われるネット関係も、その優位性はゆらいできている。PCのアドバンテージは、いまのところ広い画面と自由度、それに速度くらいだ。
現在はテレビ局のバカさ加減でTVがネットとシームレスに繋がるまで行っていないのが唯一の救いで、これだってどこかの(テレビ局にとっての)破壊者が現れた場合、PCの優位点はほぼ無くなってしまう。今のTVやビデオなどの民生機にブラウザがついた場合のことを考えてみてほしい。UXGAくらいの解像度を持つTVにWiiのリモコンコントローラのようなものとワイヤレスキーボードが装備され、インターネットとシームレスに繋がったとしたら、そしてTVがシームレスにネットに繋がったとしたら、はたして人はPCを使うだろうか。機能は多少限定されるかもしれないが、スイッチを入れれば難しいことぬきで不具合無く使えるのだ。
そうなれば、かなりの家庭でPCが無くなってしまうのではないだろうか。
今のHDDレコーダなど、内部はほぼPCである。いまのところTV自体の解像度があまりに低いため、その使い勝手はまるで昔の8BitPCの様である。ということは、PCが進化してきたように、TVやビデオ機器もどんどん進化していくのは間違いないだろう。そして、ある意味TVやビデオはメンテナンスフリーである。ビデオや携帯のOSが注目されることはほとんどない。きちんと動いて当り前だからだ。その進化した姿を想像すると、PCは大人のおもちゃ、単なる趣味の道具でしかないように見えてくる。
PCはその機能の一部を特化させた民生機に形を変え、どんどん現在のPCを駆逐していくだろう。ビデオも携帯も、すでに少し前のPC並の性能を持っている。もうPCの駆逐はとっくの昔に始まっているのだ。家庭で現在のようなパソコンの生き残る道はあるのだろうか。今の用途に加え、PCでなければ絶対にできないというようなものが出てこない限りPCの行く末は暗い。しかし、そのような用途はいまのところ無いのである。