asahi.com:天気予報、8割的中も「外れ感」 泉麻人さん「上出来」-社会
一般的に言って、当る確率80%と言えばなかなか高い部類に入るでしょう。ではなぜハズレ感が大きいのか、うんちくんのはじまりはじまり。
1、人間の心理的な要因
人は期待していたことが外れると強く記憶に残ります。期待度が高まれば高まるほど記憶に残りやすくなると言えるでしょう。来週に遠足があるんだけど天気はどうかなぁ…とか、運動会は晴れるかなぁ、なんてのが典型的な例です。
こういった場合、まず週間予報などから天気を調べるでしょう。長期予報になればなるほど当る確率は落ちるわけですから、週間予報などでは晴となっていたのに雨が降ったなんてことはあり得る話です。そうなると
「強いハズレ感」が残るのは言うまでもありません。
当る確率が80%としても、5日のうち一日が外れる確率は100%に近くなってしまいます。天気を期待する日が5日あれば、その5日全て天気予報が当たることはまずないのです。そういった、ほんの数回の印象に残る出来事が「ハズレ感」を大きくしているものと推測されます。
2、80%的中率と言うこと自体が嘘
この降水の有無の「的中率」は、明日の予報で81%(05年全国平均)。この的中率は先にゆくほど落ちる。92年~05年平均で、3日目で72%、7日目は65%。
明日の降水の有無が的中した確率81%を的中率としていること自体が大きなまやかしです。ほかの的中率なんて「当るも八卦当らぬも八卦」のレベルですしね。
つまり「80%も当っているのに…」ということ自体が
情報操作的な事であります。
3、確率80%は高い確率とはいえない
気象庁のホームページに
地点ごとのデータ(昨日まで)を閲覧できるところがあります。これを見てみると、たとえば東京都の東京では、昨年一年に雨が降った日が182日あることがわかります。つまり、
毎日晴れと予想しても50%は当ることになります。
もう少し確率を高めましょう。
梅雨の時期(5月~8月)は123日中111日雨で90%の確率で雨、それ以外の日は242日中71日が雨で29%の確率で雨です。
5月~8月を全て雨、それ以外を全て晴れとしただけで年間の当る確率は
{123日(5~8月)×90%+242日(9~4月)×(100%-29%)}÷365日=77%
となり、81%との誤差はたったの4%です。
5月~8月を全て雨、それ以外を全て晴れなんてインチキ予報でも77%近くは当るのです。これにもう少し月別のデータや気象条件を加味すればどうなるでしょうか。81%という数字が高いのか否か、なんとなくわかっていただけましたか?