13人が重大事故認識しつつボウリングって報道で盛り上がってる。話題としては面白いかもしれない。だけど、俺は違和感を感じてならない。いつぞやの回転ドアの事故だってそうだったように、なんら物事を前に進める為の報道とは思えない。
確かに一般的に見れば不謹慎と取れなくも無い。では、表面上取り繕っていたらどうなったのか?何か変わったのか?企業としての対面上の評判を確保するだけで、中味は何か変わるのだろうか。
大組織においては、違う部署は別会社的な感覚になることが多い。違う部署の不祥事は対岸の火事的な感覚だ。各部署が与えられた責任を全うしてこそ大組織は動く。それを本気で責めることができるのか。自分の持ち場を離れ、他の不祥事が起きた場合はどうするのだ。
大体今回の場合、その組織を動かしている幹部の責任はあるが、参加者までも悪者にするのはいかがかと思う。
マスコミは、もしこんな記事にしやすいネタが無かったらどうしていたのか。もしJRが運転士を救助に参加させ、ボウリング大会とかも中止し、表面上なんら文句が出ない形であったら何を報道していたのか。こういった報道で企業のイメージダウンを先導させるだけに終始し、なぜこんな企業体質になってしまったかの報道はほとんどしない。あきれてしまう。
こんな大惨事を二度と起こさないようにするには、何が根本的な原因でどうすればいいのかくらい調べろ。つまらない報道ばかりしていては、どの企業も表面上の対策だけを考えていくようになるだろう。そんな状況を作り出していく力を、マスコミは十分に発揮していると言えよう。
こんなとっつきやすくて話題になりやすいネタばかりでなく、もっときちんと取材したらいかがなのか。JRはこの重大事故を教訓に、こんな対策をとり始めたとか、そんな対策では生ぬるいとか、なにかないのか?いつぞやの踏み切り事故はどうしたんだ?スポンサー企業だからもう報道はやめたのか?
こんな馬鹿騒ぎしていたって、死んだ人は生き返らない。それどころかまた起きる可能性だってある。それでは遺族も浮かばれないだろう。あまり馬鹿にしないでもらいたいものだ。
今のJR西日本は旧国鉄時代に比べて5万人から3万人にまで人員削減を推し進めてコスト削減を図ってきたそうです。
90年代後半までは新規採用も小規模に絞ってきていたため30代が極めて少ないいびつな年代層になり、その結果先輩から後輩への運転士の技術継承が上手く行われないようになった為もあるのかもしれない、と毎日新聞に載っていました。
私はその経営判断(人員削減で儲かる体質に改善しようぜ!と決めた)した当時の経営陣にこそ責任があるんじゃないかと思います。そいつらをまずTVカメラの前にひっぱりだして来るべきなのに、TVには毎日のように不運なタイミングで社長をやってた男が頭を下げてるだけ...
で、どうせその経営判断をしたエライさんは今頃ちゃっかりJR西日本の周辺企業に天下って悠々自適の生活を送ってるんだろうなとか考えると、はらわたが煮えくりかえる気持ちになります。