友人の話。
友人の知り合いの支店では、支店長が変わって一時期的な人手不足に陥った。なんでもその支店長が今までいた人間を辞職に追いやり、そのせいで周囲の人間もどんどん辞めてしまったからだ。その人手不足に支店長は慌てふためき人探しに奔走したらしいが集まらなかったらしい。その支店長は、人が集まらなかった理由を給与の低さだとして、在籍者と段違いの高給で人を募集・採用した。そして不足分を補うだけでなく、何故か余計に人を採用してしまったのだという。
結果としてその支店の人件費は2割も上がり、一気に収益性は悪化した。人は少し増えたが従業員の業務が軽減されたわけでもなく、賃金の格差と業務の質・量は全く比例していない。昔からいてまじめに働いている人は、新しく入っただけでこんなに給与差があることが面白くない。さらには新しい人材が抜群の人材というわけでもないのだ。内部的な不協和音は大きくなる一方だ。
その支店長はそんな裏の声を聞く耳を持っていないらしい。信頼がないので誰も本当のことを伝えないのである。そして耳にやさしい言葉を発するやつだけを優遇するようになる。業績は悪化の一途をたどっている。
こんな支店長がなぜ生きながらえているのか理解できない。この支店長の判断は経営者に近い立場として完全に失格であり、企業を危急存亡の危機に立たせた責任は極めて重大である。一旦雇ってしまった従業員はそう簡単にクビにしたりはできないのだ。従業員は最大の財産であると同時に、最大の負債であることさえわからないのかと思うと情けなくなってくる。
こんな支店長の判断で、もし全従業員が職を失うことにでもなったら、この支店長はどう責任を取るつもりなのか。もっと言えば、そんな輩を支店長に任命した経営者も積ン重大である。
と、友人はかなり怒っていた。ホント馬鹿な支店長って大変だよね、と思った。