なぜ日本の小売業はダメなのか?:日経ビジネスオンライン
アメリカは小売業の人気が高いとは知らなかった。しかし、人気が高いとあるだけで人気が高い理由が書かれてていない。人気があるのは待遇(賃金)がいいからではないのか?もし賃金がいいのであれば人気があるのも納得がいく。儲かる商売をしているから賃金がいいのだろう。
そもそも儲かるためには「付加価値」が必要不可欠だ。それは結局、高く買ってもらうためにはどうするのかというところに行き着く。それがイコール仕入れの工夫といった独自商品の発掘なのだろうか。また、その商品発掘が人材育成でどうにかなるものなのだろうか。世界中を股に掛けて商品を探し運良く素晴らしいものが見つかったとして、その効果はいつまで続くだろう。
卸の人間より商品を知っている小売の人間などごく少数であり、また、それが人材育成でどうにかなるものとは到底思えない。商材の発見はある意味「センス」だからだ。だから失敗の少ない「プロ」に任せるところが多いのではないのか。当たるも八卦当たらぬも八卦で商売など出来やしない。
独自路線を推奨しているようにみえつつ、本部指示は確実に実行すべきというのも面白い。弁当を値引き販売したいと訴えるセブンイレブンの加盟店はどうすりゃいいのだ。
それから、根本的な話として、商売は売り手だけで成り立っているわけではない。この記事からはこの大事な視点が抜け落ちている。買い手のレベルと売り手のレベルは釣り合っているものだ。「お客様は神様です」に代表される異常なまでの買い手重視が、売り手のレベルアップの妨げになっているのは間違いない。ただ、この「買い手重視」は、裏を返せば「買い手はバカだから文句が出ないようにあしらっておけ」ということなのも、よく覚えておくべきだ。