今日、電車の中で「放射能は遺伝する」と大声で話している年配者がいて驚いた。こういう人は、放射能という言葉の定義から怪しい。ウィキペディアによれば、
放射能とは「放射性同位元素が放射性崩壊を起こして別の元素に変化する性質(能力)を言う。」とある。放射能は物質の持つ性質を表す言葉であることを知らないようだ。
言葉による揚げ足取りはこれくらいにして、いわゆる放射能で問題になるのは放射性崩壊時に発せられる放射線である。放射性物質自体は比較的分子が大きく質量も大きいので、微粒子が吸い込まれて肺に留まったりすると厄介だろうが体表に付着しても洗い流す等で対処できるだろう。人体が放射線にさらされることを被曝というが、これを「放射能にやられる」みたいにいう人が未だにいることは驚きでもある。
で、問題の「放射能は遺伝するか」であるが、そもそも言葉の定義がむちゃくちゃなので答えようがない。それでも無理やり解釈して見ると、被曝は遺伝するか、というような意味だろうと推測する。その意味だとすれば、遺伝はしない、が正解だ。というか、何が遺伝するのか全くわからん。
無知とは罪悪に等しい。俺の親父も社会的な制度などをよく知らず、家族に金銭的な負担をかけまいとして病気を悪化させた。高額医療費制度を知っているだけで負担は一気に減るはずだったし、病気も治った可能性も高い。親父の死去で結果として家庭の収入は減り、一時期的の金銭的負担を渋ったがために、それより大きな金銭的負担をかける結果となった。
世の中には怪しげなことがまことしやかに話されている。無知であればあるほど
エセ科学などにだまされやすい。エセ科学や疑似科学が如何におかしいかは普通の学力がある人がまじめに調べれば理解できるはずなのだが、そうでも無いらしい。
疑似科学とされるものの科学性評定サイトなどもあるので、騙される前に調べておくべきだと感じる。繰り返すが、無知は罪悪だと俺は思っている。