Linuxからアホ話まで、何でもありでござる

2004年03月13日

戦国じじい

[Man of Kind]
「今日もヒマだなぁ…」
時計はすでに2時を回っている。私の働く某ファーストフードも、この時間になるとぱったりと客足が途絶える。
そのとき、自動ドアが開いて、20代前後の若者が2人入ってきた。

「コーヒー・・・」
その客は、席につくなりこう言った。なぜかどちらも不機嫌そうだ。

その客の後を追うように、ひとりの老人が入ってきて、その客の側に座った。

私は若者にコーヒーを持っていき、ついでにその老人に聞いた。
「ご注文は何になさいますか?」

老人からの返事はなかった。

その老人は若者の会話にずっと耳を傾けていた。

突然、その老人が叫んだ。
「貴様らは間違っておる。」

若者たちは怪訝そうな顔をして老人を見たが、かまわず話を続けている。

「貴様らは間違っておる。」

また老人が叫んだ。何度も何度も叫んだ。

さすがに若者も気分を害したらしい。
「俺たちのどこが間違ってんだよ!!」

しかし、老人は「貴様らは間違っておる。」と繰り返すばかりだ。

そのとき、シェークの機械が突然動き始めた。

「その機械は壊れておる。見せてみろ。」
「??? え? これですか? 別に壊れてませんよ。時間がたつと自動的に回るんですよ。」
「いや、その機械は壊れておる。」
「大丈夫ですよ。」
「いや、その機械は壊れておる。」

私は会話にならないので、これ以上言うのをやめた。

「貴様らは間違っておる。」

また老人は若者たちに食って掛かった。

若者たちも堪忍袋の緒が切れ、店を出て行った。
その後を老人はついて出て行ったのだった。

その老人はその後も何度も店に現れ、いつものフレーズを繰り返していた。
店の前で殴られていたこともあった。それでも老人はやめなかった。

我々はその挑戦的な態度から、その老人を戦国じじいと命名した。

その老人は、昔は新聞記者であったらしい。まだ生きているのであろうか。

ブログランキング・にほんブログ村へ
posted by oyajiman at 2004年03月13日 23:25:53



コメント

コメントはありません

トラックバック

トラックバック
このエントリにトラックバックはありません
このトラックバックURLを使ってこの記事にトラックバックを送ることができます。 もしあなたのブログがトラックバック送信に対応していない場合にはこちらのフォームからトラックバックを送信することができます。.

コメントする