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2009年06月23日

セブンイレブンへの排除命令は当然だが

[うんちくん]
先日突然コンビニ店主「見切り販売」の動きを考察コンビニ弁当を値引き販売すればどうなるかという昔のエントリのアクセスが急増した。このエントリを引用した記事がなにかのメルマガにでも載ったのだろうか。古いエントリが突然ほじくり返されるなんて面白いこともあるもんだな、などと思っていたらセブン-イレブンに排除命令 値引き制限、不当と公取委 - 47NEWS(よんななニュース)というニュースが飛び込んできた。ニュースの報道は今ひとつ信用できないので、公正取引委員会のサイトにいって、株式会社セブン−イレブン・ジャパンに対する排除措置命令について(pdf)をさらっと読んでみた。以下、その感想。なお、すべて俺の経験からくるフランチャイズの話なので、セブンイレブンとは多少違う点もあるかもしれん。

1、セブンイレブンの地位は加盟店に対して優越しているか否か
フランチャイズのザーってのはジーにとって絶対であることが多い。俺も以前「契約違反だ。契約解除するぞ。」みたいなことを言われたことがある。契約解除なんて言葉はジーにとっては恐喝に等しいくらいなので、ザーがたまにその伝家の宝刀を抜くとジーは黙らざるを得ない。特に同じオーナーで加盟店を複数持っている場合、一店舗のせいで他の店舗まで契約を切られるかもしれんと思うと黙るしかない。また、例えば全国統一キャンペーンなどは「参加しません」なんて事は絶対に言えない。加盟店は本部の政策を黙って受け入れるしかないのだ。優越しているどころか、絶対ネ申なんだよ。

2、見切り販売の制限は違法か否か
仕入れてしまったものをどのような価格で販売しようが、それは販売先の勝手だ。だから見切り販売を強制的に制限するのは違法と取られて致し方ないだろう。公正取引委員会の判断はまっとうだ。というか、公的機関としてはこれ以外判断のしようがない。建前はそうだけれども、「金を払っているのだからブランド・流通や販売管理システム(POS)は使わせろ。商品開発や宣伝もお前らがやれ。その上で好きに売らせろ。」という意見が通ってしまったようにも見えるのだがどうか。そんなに販売の自由が欲しいのであれば、フランチャイズ契約など破棄して自前でやるのが筋ではないかと思う。

3、解決策はあるのか
双方歩みよりが一番だが、まず第一に利益確保がジーの願いなのは言うまでもない。思いつく解決策としては、
ロイヤリティの歩合を引きげ値引き販売は推奨しない
仕入価格にロイヤリティも組み込んでしまい、売価には本部は口をださない
の二方向があるだろう。後者のやりかたがすっきりしていていいと思うが、前者は独禁法違反(優越的地位の乱用)に引っかかったままになること、後者は独自仕入を行う加盟店が出てくる可能性があるという問題も残る。なんだかJ-CASTニュース : セブンイレブン 食品廃棄コストの15%を本部が負担という妥協案も出ているようだ。

弁当にだけ限定して言えば、実はもうすこし解決策がある。それは「品質保持時間を延ばす」か「製造販売にする」ということだ。これは少々長くなるのでまた後で

4、そもそもなんでもめるのか
俺が働いていた業界(某ファーストフードチェーン)でも、実は同じような問題を内包していた。しかしこの様なもめごとは起きていない。その理由として、値引き販売を認めていること、粗利幅が大きいため多少の値引きでは経営を極端に圧迫しないこと、ロイヤリティが売上歩合となっていること、などが考えられるが、一番違うのはザーとジーの信頼関係が比較的良好なことだと思う。本部は加盟店の繁栄を願い、加盟店はブランドイメージを守る。そんな信頼関係があるから、加盟店は多少の不満があっても本部の言うことを聞いたし、本部は加盟店の意見を聞くポーズを取ってくれていた。ただ、セブンイレブンの店舗は12323店もあるらしい。このくらいあればなにか問題が起きて当たり前だろうと思う。

このサイトにも「頭オカシイだろ」コメントがたまにつくが、それは1エントリに1000アクセス/日以上あった場合がほとんどだ。どこでも0.1~0.2%くらいの確率で変わった人が発生するのは同じなんだなと思う次第。あ、これは余計だったね。

[関連エントリ]
消費期限の長さとロスは反比例する
コンビニ店主「見切り販売」の動きを考察
コンビニ問題で思うこと
コンビニ弁当を値引き販売すればどうなるか
廃棄チャージ理論はおかしい
商品価値は値段で決まる


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posted by oyajiman at 2009年06月23日 23:00:00



コメント

山師

昨日アクセスした一人です(笑)
うなづく事ばかり書かれているので、他記事などもさかのぼって読ませてもらいました。

昨日なんかも一部ネットで暴れている意見などを聞くと、
「エコ」「食べられない人だっているのにもったいない」→だから本部で破棄分負担しろ
なんて言が多かったですね。

もったいないなら破棄しない、に触れることはまずなく、破棄するアイテムありきで、店側の負担は酷すぎる、と。
破棄しないような全部売れちゃうシステムにしたら、絶対品薄に文句言いますよね。

車に乗らないではなくエコカーを買っちゃうエコ信者みたいに、自分にとって不便なことは考えたくないんでしょうか。

おそらく一般のイメージとしてのフランチャイズ=営業保証までしてくれると都合の良い解釈してるんでしょうが…

レシピ本買った=美味しい料理を作れる保証
ではないんですがね。
2009年06月24日 19:16:50

oyajiman

俺のエントリはつたない経験からしか書いていないので、ある一面からしか見ていないことも多いです。そのことはあらかじめお断りしておきます。

その上で、コメントだからあまり見る人も少ないだろうということでさらに突っ込んだことを言うとですね、この一連の流れ、ちょっと不自然なんですよね。そもそも、普通の感覚であればフランチャイズの本部に歯向かう人はあまりいません。だって、フランチャイズ契約したんですからね。にも拘らず、廃棄チャージみたいな素人にはもっともらしく聞こえる話から端を発し、世の流れに乗っかり「廃棄ロス」から「見切り販売」です。それもセブンイレブンの一部の加盟店オーナーだけが騒いでいます。

陰謀論を妄想するのが好きな俺は、これで誰が得するのかなぁと考えながらニヤニヤしています。値引き販売は消費者も喜ぶかもしれませんが、何とかと鋏は使いようだななんて思いながらもっとニヤニヤしている人もいるんじゃないかなぁ、なんてね。

だいたい、本部相手に戦っているのにセブンイレブンのユニフォームを着て記者会見するなんてのは誰かが演出しているからであって、普通の神経だったらちょっと考えにくいような気がしますよ、俺は。
2009年06月24日 21:35:50

セブン加盟店

見切り販売の制限は、本部の独禁法違反であるだけでなく、契約違反でもあるのですよ。
契約内容も知らないでイイ加減なことをまき散らさないでいただきたいですね。
2015年02月18日 14:07:24

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