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2005年09月17日

意識改革はシステム稼動後に?

[これでいいのか]
【新連載】「意識改革なんてシステム稼動後にするもの」と割り切れ:IT Pro

おっしゃるとおりでございます。

…だけで終わってしまっては面白くもなんともないので、イチャモンつけてみる。

まず一番最初に声を大にして言いたいのは、本当にシステムを入れる段階だったのか?ということだ。

あくまでシステムは補助の道具だ。それを忘れちゃいけない。システムが物事を解決するなんてありえない。ある問題を解決する道具としてシステムを使うだけなのだ。

それなのに、得てしてシステム屋は、「このシステムを入れればあーんなこともこーんなこともそーんなこともああいいわーそこそこやめないでーと言われるくらいうまくいきますよ マル」と必ず言う。それどころか、「システムに業務を合わせればいいんですよ。」こんな驚くべき言葉がシステム屋から発せられることもある。幼稚園児にカッターナイフの刃をそのまま渡して「使い方覚えなさい」とでも言うのか、オマエは。

大体、システム導入の検討に入る理由が「現状の作業が煩雑だから」とか「システム入れれば効率あがるから」なんてところが多いんじゃないかと思うが、これは導入を検討する段階から間違っているといわざるを得ない。

システムなんて、はっきり言ってしまえば人がやる作業の一部をシステムに代行させるためのものだ。これが何を意味するかと言うと、人のやる作業がきちんと確立されてない場合はシステム化など到底無理だ、ということだ。あいまいな業務、もっと簡単に言えば人間がいちいち判断しなければならない作業をコンピュータに求めたって、そんなことを決められたことしかできないコンピュータに望むほうが間違っている。

システム化して業務がますます煩雑になったと思う人は、一度コンピュータを捨て、紙と鉛筆と電卓に戻してみてほしい。そのほうがずっとうまくいくだろう。もし人間がコンピュータ並みの計算速度を出せたら、コンピュータなんて要らない。その計算速度と記録・呼び出し・検索が最大の魅力であって、それ以外を望むべきじゃない。大した計算量もないのに、効率アップを狙ってシステム化して煩雑になるくらいだったら捨てたほうがいいに決まってる。無駄な投資と言われたくないシステム屋と導入者の見栄・意地があるから捨てられないだけなのだ。

システム化の肝は意識改革などではない。コンピュータの導入=システム化ではなく、業務プロセスの確立、つまりソフト的な意味のシステム化が重要なのだ。紙と鉛筆と電卓でできることを標準化し手順を固めることがまず最初にやるべきことだろう。その段階がしっかりしていれば、コンピュータにやらせる業務がおのずと浮き上がってくる。

実際周りを見て欲しい。業務がだいたい標準化されているもの、例えば経理などはシステム化どころかパッケージソフトで事足りているではないか。POSもしかりだ。業務が確立されているからシステム化する効果が高いのだ。漠然とこんなことできたらいいなと思っていることなど、システム化できないと思っていたほうが正解だ。

だから、あんなことも出来ますこんなことも出来ますなんて宝くじ買ったら当りますみたいな言葉に騙されてはいけないのである。

今のシステムは「後追い」というか、集計分析がほとんどだ。それしか出来ないと思っていい。なぜなら、コンピュータは情報を与えなければ計算できないからだ。だから、その情報をコンピュータにきちんと与えなくてはいけない。だが、その情報がきちんと体系化されていない場合、つまり、人間の勘ピュータで動いているものはコンピュータに情報を与えることなど出来るわけがない。そんなのシステム化できるはずがないのである。また、高度な分析などを求めたシステム化は、おのずと与えなければならない情報量が増える。だが、そんな情報を拾って入力するより、人間が見て聞いて判断するほうが速い事が多いのも事実だ。重要なのは情報の絞込みなのだ。システム屋に大きく欠落しているのは、この情報の絞込みだろう。

システム化なんて、ソフト的な業務確立、つまりコンピュータに与えたら業務が効率化できるであろう情報のやり取りが確立してから、この作業をコンピュータにさせたら楽になるなぁとなってから初めて着手すればいい。システム屋だってその方が作りやすいだろ?ソリューションの提示方法が間違っているよ、今は。

新しいものを入れたら必ず文句は出る。だからといって、それをあまりに肯定しすぎるのはシステム関係者のエゴであると思う。どうしても必要なものは、いくらできが悪くても必ず使うものだ。使わなくても業務が回るから使わなくなるのだ。そのことを忘れてしまっているとしか思えないのだが…



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posted by oyajiman at 2005年09月17日 00:57:47



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