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2012年12月21日

投票率が低いと嘆く人に

[これでいいのか]
今回の選挙は戦後最低の投票率だったらしい。選挙の重要性についてはアチラコチラで言われているので、そのことについて知らない人はいないだろう。それでもなぜ投票に行かないのか、そのことについてもっと科学的に切り込まなければ解決は難しい。

そもそも論として「投票率が低い」と言う人はどの程度の投票率ならOKなのか。そのゴールも示さずに「低い」なんて言うのはバカのやることである。きちんとしたゴールを設定し、その目標を達成するための障害を一つ一つ潰して行かずして、投票率など上がるはずもない。ましてや、投票率が低かった原因は「無関心だ」というような精神論に終始する事自体が問題を問題として捉えていない証拠なのだ。数字的な話だけをすれば、全体を推測するには無差別にしたサンプルが全体の2%ほどあればかなり正確に全体像を把握できる。だから無差別にサンプリングできたら2%が投票すれば大体正確な数字になる。しつこいようだが、投票率が50%もあれば十分に全体を表しているのである。無差別なサンプリングであれば、だが。そういう意味から捕らえても、投票率が低いと言う人は、満足できる投票率とはどのくらいなのかを明示してもらいたいものだとつくづく思う。

投票率を上げたいのであれば上げるための対策を講じなければ結果は絶対に出ない。今までと同じやり方で結果だけを望むのは、勉強が出来ない奴に「頑張りが足りない」というのと同じだ。そんな言葉で成績が上がったら誰も苦労しない。投票率が低い原因、それは「投票システム自体が間違っているから」なんじゃなかろうか。

まず最初に投票するためのコスト(障害)について。これには投票所まで移動するための物理的コスト(障害)、投票時間内に投票しなければならない時間的コスト(障害)が挙げられる。時間的コストについては不在者投票や期日前投票がかなり認知されてきたため、以前よりずっとコストは低くなったと予想される。変わっていないのは物理的コストだ。ここまでいろいろな通信手段が発達したにも関わらず、未だかつて投票は紙に書いて投票所で行うというシステムは変わっていない。これを変えずして結果も変わるはずはない。コストを引き下げるには移動せずに投票できる仕組みが必須であり、そのニーズが高いのはネット通販の販売額の推移を見ても明らかだ。早急にネット投票、それも携帯端末から投票できるようにするべきだろう。

次にプロモーション。これは直接的に「投票に行こう」みたいなキャンペーンを張っても無駄だ。そんなのではなにもインセンティブが働かない。あり得ない話かもしれんが「投票したら金券がもらえる」みたいにしたら投票者が増えるのは容易に想像できる。こんな冗談はさておき、一番のインセンティブはなにかというと「この人が当選したら俺は得する」というヤツだ。投票率を下げているのは年齢別では20~30代、職種では浮動票をもった人(いわゆるサラリーマン)だとよく言われるが、そこを動かすための政策が全く見えない。これについては、逆に「出てきてもらっては困る」政治家や既得権者も多いだろうから、実際は投票率を上げるための「この人が当選したら俺が得する」インセンティブは期待薄である。それでもこの構造が変わらない限り何も変わらない。だからこそ投票という行為自体に対してのインセンティブは必要な気がする。

話はそれるが、プロモーションで重要なのはマスコミの存在である。選挙の結果予想が早い段階から出されているが、その結果が自分の狙っているところに合致していたら選挙に行こうとする意識が薄れる人は必ず出てくる。良い意味で「行っても行かなくても同じ」だからだ。これについて誰も言及しないのはなぜか。また、気のせいかもしれんが、いわゆる無党派層を情報による印象操作で動かしているように見える。いい例が首相を引きずり落とす時で、どうでもいいような不祥事を大々的に取り上げてネガティブな印象を植えつけてきたのはご承知の通り。野田政権がそこそこ生き延びたのは、いわゆるぶら下がり会見をしなかったからだと俺は踏んでいる。話がそれたが、今回は自民にという流れを作るため、また、維新のようなところを黙らせるためには投票率が低いほうがよい、そんな意図が見え隠れしたように思う。これももっともっと利害関係の少ない報道手段・機関を使うべきだろう。

いずれにせよ、投票率が低いという話はあまりにも感覚的かつ非科学的で頂けない。繰り返すが、まずはどの程度の投票率を目標とするのか明示してほしい。その上で現状をしっかり分析し具体的な対策を講じるべき話だと思う。

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posted by oyajiman at 2012年12月21日 01:00:00



コメント

結構楽しんでます

久々に「科学的」?解析、はっけ~んです。
投票率が低いと公○党が躍進するでしょうし、K福のK学なんてところも議席を確保しちゃうかもしれませんし。
しかも、おっしゃるとおり維新の運動員に逮捕者なんて出ちゃいましたね~。(マスコミだけじゃなく、維新に出てこられると困る黒い団体があるのかもしれませんじゃ~)
とはいえ、政治無関心国家を作り出したのは、かつて長期政権を維持してた自民党なのかもしれませんし、刺激を求めて民主にまかせてみたものの、変化を好まなかったのも、この国の国民です。維新が躍進したところで、その変化はどの程度だったのか、「if」は禁物ですが、そういう世界も知ってみたかったりします。

ま、そんなことはさておき、インセンティブ、こういうのはいかがですか? 「選挙の投票を放棄すると税金が高くなる」とか。飴じゃなくてムチのほうになっちゃいますけど。そのかわり、夜遅くまで期日前投票できるとか、なんかの手段整備で。

40代にして選挙に1回しか行ったことのない人より。あ・・・わたし、かなり税金高くなる組だ!
2012年12月21日 07:32:23

oyajiman

>40代にして選挙に1回しか行ったことのない人
オマエは俺か?とマジ思った一文。一生に一回はと思って一回だけ行ってみました、ええ。後はもう完全に非国民ですし、おっしゃるとおり「科学的」?解析なんで、見逃してたもれ。
2012年12月25日 23:49:46

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