これもまた友人から聞いた話。
友人の知り合いの会社でホームページをリニューアルすることになった。第一の目的は「簡単に更新できること」である。普通のホームページは新しい情報が命。有益な情報を蓄積していくタイプのサイトならいざ知らず、通常は新しい情報の発信をしないとアクセスは稼げない。だから少しの教育で更新が可能なシステムにしたかったらしい。
本社に稟議を上げると、「これのどこがリニューアルなんだ?」と言われたという。話を聞いていくと、大きくて綺麗な写真を使ってビジュアル的にアピールするのがよいホームページと思っているようだ。そのくせ「SEO」などという言葉だけは使ってくる。
SEOと画像自体は全く関係が無い(いまのところは)。サーチエンジンに画像の内容を認識させるにはalt属性にキーワードを入れてやるしかないのはご承知のとおり。つまり、サーチエンジンには実際の画像の内容等どうでもいいのである。それなのに「画像をふんだんに使ってかつSEO対策を」なんて、仕組みが判っていたらあまり言わないようなことだ。まー、この会社の関連企業のHPは文字さえ画像であるところもあるので、サーチエンジンがなんたるものかという根本的なことも判っていないのだろう。
さらには、世間ではかなり不評の「○天」あたりのデザインがよいと思っているらしく、このあたりからも勘違いも甚だしいことが良く理解できる。SEO対策とか述べておきながら、リンクを多数設置できる「見る気の失せる文字だけのサイト」とか言われると真面目に困ってしまう。じゃ、YahooやHondaのトップページなんて最悪だな。
また、言及されるのはホームページのデザインや構成ではなく中の情報についてで、そんなのホームページ製作じゃなくて企画力の話だろということを延々と語られ泣けた。こういう根本を理解していない人が知ったかぶりで話すと聞かされた方はマジ疲れるのでやめてほしい。
なんて愚痴をこぼしていたらしい。世の中には詳しくないのに「専門家」みたいに扱われてしまうことがある。最初はそれを自覚しているので謙虚なのだが、時間が経つにつれ自分でも「専門家」と思い込んでしまう場合がある。周囲が認めてくれているならよいが、立場があるので否定できないという場合も多い。後者の場合は手に負えない「バカ似非専門家」になってしまい、百害あって一利なしである。ホント、困ったもんだね。