以前
保険なんて信用できんみたいなエントリを上げたが、奇しくも
AIJなんちゃら企業年金の運用で資金喪失というニュースが飛び込んできた。これは珍しい話ではなく、保険や年金なんてこんなものなのである。今回の話が特異なのはその程度だけだ。バブル崩壊以降、企業年金の運用はうまくいっていないところも多いはずだ。その事実は企業が倒産などして企業年金を解散するときにしか明るみに出てこなかったりする。
国の年金制度に対して幻想を抱くのは、その規模が大きいからにほかならない。しかしいくら大きくても破綻するときは破綻する。規模が大きいので突然破綻するという可能性は非常に低いが、その分急激に回復するということもない。AIJなんちゃらで起こったことは特殊なことではなく、実際に同じようなことが国の年金運用でも起きているではないか。
これほどまでに金を預けることのリスクが判っているのに、なぜ保険や年金といったものに希望を持てるのか。俺がそれがとても不思議だ。納めなければならないものはさておき、それ以外の金など何もしないでためておいたほうがよいではないか。世の中のかなりの人はそれに気がついている。だから金を使わずに貯める。それが経済活動をさらに低迷させ、預けた金はだぶつき、しかたがないので銀行は国債を買って利鞘を稼ぐ。
このサイクルが示すところはなにか。そう、金を貯めているつもりでも、実際はその金が国の借金の肩代わりになっているということだ。デフォルトになったら全てはおしまいだが、まだましなのは外国からの借金が少ないらしいことだ。デフォルトになって泣くのは金持ちなのである。
だが、景気が回復しないひとつの原因に金持ちが金を使わないというのもある。使うのも怖いし使わなくても危ない。金持ちは本当に大変だな。そんな心配してみたいもんだ。