Linuxを使う理由(その1)
Linuxの使い方に大きな転機が訪れたのは1999年にVMWareが発表になってからのことだ。
それまで仕事には仕方なくWindowsオンリーで使っていたのだが、いろいろな障害に伴うデータの喪失などでかなりうんざりしていた。仕方なくLinuxをSambaでファイルサーバにしてデータの安全性を確保していたのだが、如何せん100baseを使ってのLANのやりとりなのでレスポンスには大きな不満があった。
DOS/V Magazineの米田氏のコラムにVMWareのことが載っていたので早速使ってみると十分使えるではないか。早速正規購入して、自分のPCはLinuxで動かしその中でWindowsをエミュレートさせて動かすことにしたのだ。
これでデータバックアップなどのいわゆるサーバが行う作業とクライアントで行う作業が一台のPCでまかなえるようになったのは有意義だった。当然レスポンスもネットワークを介してよりずっと速い。それにサバクラの2台を使っている時はキーボードやマウスを間違えたりして思ったよりしんどかったのである。そんなことをあれこれやっているうちに、なんとなくではあるがLinuxをサーバとして使うスキルが上がってきたように思う。
VMWareを使ってみると意外なメリットがあった。VMWareはLinux(というかホストOS)上にヴァーチャルDiskを展開して使う方法がある(というかこちらのほうが一般的)のだが、Diskイメージごとバックアップしておける。これはどういうことかというと、気に入った状態でDiskイメージを保存しておけばおかしくなった時でも再インストールなどの面倒な手間を省いて前の状態に簡単に戻せるということなのである。また、速度的には厳しいのだが、1台のPCで何台ものPCをエミュレートできるというのもなかなかいい。
セキュリティレベルが上がったのもメリットのひとつだ。データもLinux上で管理しているのでアクセスするのは比較的困難な上、きちんとLogも残る。そもそも俺のPCでWindowsを立ち上げようとすることは普通の人にはなかなか難しい。会社内では俺のPCはブラックボックスに近くなっている。
これで俺はWindowsにはアプリしか入れずに使用することができるようになったのである。
つづく