Linuxからアホ話まで、何でもありでござる
2010年03月29日
こんな本が何で売れたのかよくわからん
[だめだこりゃ]
この本が話題にのぼったのはかなり前になる。話題になったあたりに買ったのだが、読み終えたのはつい先日だ。なんでこんなに読むのが遅くなったのかというと、それは単に「つまらなかった」からだ。この本には一気に読ませるものはほとんどない。
買った動機は「なにか仕事に役に立つかも」ということなのだが、書いてあることはネットをうろついている人なら既に目にした内容ばかりだ。
それどころか、以前「ロングテール」と言う言葉が流行ったときに感じた疑問がそのまま残る内容だった。その疑問は3年以上前に
ロングテイルっておかしいよねに書いたし1年以上前にも
何をいまさらの「ロングテールなんて大嘘だ」というエントリもあげている。この理論、やはりどこかおかしかったのか最近はさっぱり聞こえてこない。当然といえば当然だ。
なんで同じ疑問が残ったのかと思ったら、この筆者は「ロングテール」を流行らせた人だったようだ。なんのことはない、今度も同じ穴のムジナを狙ったってことなんだろう。
ロングテールもこのフリーも、大きく抜け落ちているのが「物質に関わるコスト」だ。電子データに比べ実態のある「物質」は、何をするにもコストが大きくかかる。この本からは、顧客や物質の移動や維持保管のコスト感覚がまったく感じ取れないのである。そのコストに対する感覚が大きく抜けているせいで、その話のほとんどにリアルさを感じない。要は「ネット上だけの話」になってしまっていて現実味が少ないのだ。また、当然そこには対人関係もかなり希薄に(というかほとんど話題にされていない)取り扱われ方で、子供が夢を語っているというような印象しか持てなかった。
つか、数%の有料客で全体をまかなえるほどの規模をもつってことは、全世界が数人(数社)に踊らされるってことじゃないの? 90%以上を占めるタダで提供する分のコストを数%の人でまかなうんだから、数%の人は本来のコストの10倍以上の金を払えってことだよな。今ものすごく飲みたい気分のコーラをタダで振る舞うとすれば、有料客は350cc1缶を1000円くらいで飲めってことか。なるほど。全然納得できんね。
久々に読み終えて損した気分になった一冊だった。
posted by oyajiman at 2010年03月29日 23:00:00
コメント
例えばマクドナルドでコーラ無料やれば、コーラだけ飲んで帰る客もいるだろうけど何がしかのセットも頼む客も出るじゃん、という話とは違うの?
つい最近NHKで特集やってたのを見ましたけど、最近の携帯ゲームもこの手法で稼いでるのが多いそうですね。
無料釣りゲームで客集めて釣果競わせて、もっと魚釣れるようになりたければ(ゲーム内)釣具ショップで有料のスペシャル釣竿購入だ~!みたいな流れでw
んー、マクドナルドとかの例はその通りだと思います。だけど、別にこの本で「こんなのあるよ」と取り上げてもらわなくとも知ってるってば、みたいな話ばかりです、ええ。
流通・保管のコストが著しく低いものにはすごく有益な手法でしょうけど、「そんなものだけで世の中回っているわけじゃないだろ!」と思った次第です。
こういう流行の本を「読んでいることに満足・買ったことに満足」する人が、350cc1缶を1000円で買うんだと思います(笑)
山田くん、山師さんに座布団3枚もっておいで!
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つい最近NHKで特集やってたのを見ましたけど、最近の携帯ゲームもこの手法で稼いでるのが多いそうですね。
無料釣りゲームで客集めて釣果競わせて、もっと魚釣れるようになりたければ(ゲーム内)釣具ショップで有料のスペシャル釣竿購入だ~!みたいな流れでw