先日、録画しておいた香港戦を見た。中国戦よりはすこしマシになったかなとは思うが、それは単に相手が香港だったからと見たほうがよさそうだ。平山が一人で仕掛けるシーンが何度かあったが、最後の詰めはさておき、一人でも切り裂いていける相手なんだよな。このチームって根本的に何かおかしいと思っているのだが、その「何か」を杉山茂樹氏が見事に表現してくれている。
杉山茂樹のBLOG : 効果がないのに難しいサッカー
そうなんだよな。動き回るのはいいのだが、その動きは無駄な距離・無駄な時間にばかり費やされてしまっている感じ。
サッカーというか、パスゲームの基本は相手の間を抜くことだ。ポジションを移動するのは、その成功率を高めるためなはず。つまりこういうこと。
a,bが敵とすると、Bの文字のある位置ではパスを出してもカットされるのは当たり前。だからBは点線のようにポジションを移してパスコースを作る。サッカーはこれの繰り返しでしかない。当然この他にも相手の前に出てパスを受けるという選択肢もあるが、それではいつまで経っても相手はゴールとボールの間に存在してしまう。だから相手をパスもしくはドリブルで置き去りにし、ゴールとボールの間にいる敵を減らしていこうとするのだ。
パスコースを作るには、実はそんなに動かなくてもいい。ただ、相手もうまくなればなるほどパスコースを消すのがうまいので、数人の味方が相手を引き連れて動きながらパスコースを作る。空いたスペースを使うってのはそういうことだ。じゃあ、空いたスペースというのはどのくらいの広さかというと、多分4m四方もあれば十分過ぎるだろう。選手が均等に散らばった場合でも、選手の間は5mもないものだ。ボール周辺であればもっと狭い。つまり、スペースを作るためには各人がほんの数m動くだけでいいはずなのだ。
今の代表のようにせわしなく動くのであれば、もっともっと判断を早くしなければいけないし、判断する時間を作りたいのであればパススピードを速くする必要がある。パスを出す方向もしかりで、味方の勢いを止めてしまったり受け手が手詰まりになる方向に体を向けなればならないようなパスが多過ぎる。
とにかく、もっと(ズル)賢くシンプルにしたほうがいい。このままいったら「キックアンドラッシュ」になるんじゃないのかな?