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2009年02月23日

コンビニ弁当を値引き販売すればどうなるか

[だめだこりゃ]
コンビニ弁当、捨てるくらいなら値引きすればいいのでは? セブンイレブン、値引きを不当制限か - goo ニュース畑

さて、この問題、セブンイレブン本部のロイヤルティとかよく理解できない廃棄チャージ理論云々を抜きにして考える必要もあるのではないかと思う。要は「値引き販売したらどうなるのか」ってことだ。

スーパーなどの惣菜や弁当は、当然のように消費期限が近づけば値引き販売されることが多い。しかしこれは、ほとんどが現地生産で統一展開された商品ではないし、値引き販売の時間帯もまちまちであったりする。それに対し、チェーン展開したところでの値引き販売という手法は、商品価値、ひいてはブランドイメージを大きく引き下げるものであることも認識したほうが良い。実際チェーン店で値引販売に近い手法を取ったマクドナルド(100円バーガー)は一時期大きく業績を落としたし、ミスタードーナツなどは100円セールみたいな特売日以外は客足が極端に遠のいてしまった時期もあったらしい。なにより問題なのは、コンビニでは独自商品が置けないこと、消費期限がロジスティック(物流)などの条件でほぼ固定化されていることである。コンビニ利用者にとっては値下げされる時間帯が読みやすいのだ。値引き額にもよるが、ある時間まで売れ残れば安く買えるのであれば、その時間帯まで待てる人は定価では絶対に買わない。販売数も伸びてロスも減るかもしれないが、売上は変わらないか下がる可能性だってあるのだ。

このことだけならまだしも、現在のように石を投げればコンビニに当たるような状況で消費期限間近な商品の値引きを認めれば、抜け駆け値引き販売を始める店舗が必ず出てくる。そうなったときコンビニはどうなるか、考えたことがあるのだろうか。いや、個人的には割高なコンビニがスーパーやディスカウントショップ並の価格になったらうれしいのが本音だ。しかし、値引き競争で体力勝負をして生き残るところは少ないだろう。本部のロイヤルティや納品価格が引き下げられれば体力勝負も少し長く続けていけるだろうが、必ずや底をつくときがくるし、現在のような商品開発は到底無理だろう。今のコンビニは値引き合戦をできるビジネスモデルではないのだ。

厳しいことを言えば、ロスが出るのは販売予測が不正確だからである。販売数を正確に予測できればロスも少なくてすむはずというのは、あまりに机上論かもしれないが正論でもある。もし予測の精度を高める工夫もなしにロスを問題にしているのであれば、それはお門違いというものだ。

そもそもコンビニの利点は価格ではなくその利便性だ。コンビニ利用者のほとんどが価格と利便性を計りにかけ、利便性が上回っているからあの価格でもコンビニに行くのだ。その優位性を自ら捨て、価格競争に入りたいのであればそれでもいい。しかし、その先は現在より厳しい状況が待っているのではないか。そのようなことを視野に入れず、目の前のロスだけを問題にして値引きに走るのは、経営者としていかがなものかと思う。それも主力商品である弁当の値段をいじるのは、俺がもしコンビニオーナーならとてもじゃないが怖くて出来ない。値引き販売は、自分のところのみならず、コンビニ業界全体をぶち壊すことになるような気がしてならない。

商品の価格は企業の力だ。そのことは忘れちゃいけないと思う。

[関連エントリ]
消費期限の長さとロスは反比例する
セブンイレブンへの排除命令は当然だが
コンビニ店主「見切り販売」の動きを考察
コンビニ問題で思うこと
廃棄チャージ理論はおかしい
商品価値は値段で決まる


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posted by oyajiman at 2009年02月23日 22:30:00



コメント

ははっは

>コンビニ業界全体をぶち壊すことになるような気がしてならない。

だから、なんなんだ。

コンビニの、ドアの外で、左右を向けば

同じ看板が見える状態で

つぶれるも糞も無いだろう。
2009年06月22日 21:13:32

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