Linuxからアホ話まで、何でもありでござる

2008年12月24日

「正社員」保護しすぎ論は近視眼的だ

[つれづれなるままに]
J-CASTニュース : 働かない中高年リッチ解雇せよ 「正社員」保護しすぎ論が台頭

ここに書かれているように、本当に正社員は保護されすぎているのだろうか。

俺は少々違うと思う。

正社員は、継続雇用を盾に取られてこき使われているのではないか。無論働かない中高年リッチは存在する。しかしそれのほとんどは団塊の世代のことだろう。そもそも論としておいしい思いをしたのはあの世代だけで、以降の人間はおいしい思いをほとんどさせてもらっておらず、それどころか厳しくなる一方である。団塊の世代がどんどん引退していっている今、高い削減効果を生み出すであろう中高年リッチ自体が減ってきているわけだ。

この世代がほとんど引退してしまえば、流れが一気に変わるような気がする。今後、労働者の賃金が急激に上がることは無いだろう。そうなると、今までの上昇思考は根底から否定されてしまうかもしれない。そもそも、下降・縮小するところがあるから上昇・拡大するところもあるのだ。一時期WinWinの関係とかアホ臭いことをぬかす奴が結構いたが、LossLossがいるからこそWinWinがいることを忘れちゃならない。

雇用とて同じで、雇用されている人の中には当然Winに見える人もいる。今であれば「派遣社員」がLossと騒がれているのだが、企業が存続するために払える賃金には上限がある。雇用を守るというお題目でその上限を越えて賃金を支払い、その結果企業自体が無くなったらそれこそ本末転倒である。その賃金の中身を問う議論と、賃金総額の議論は分けて考えるべきだと思う。

賃金総額に限りがある場合、取るべき方向性は2つしかない。賃金単価を引き下げて雇用者数を確保する方向と、賃金単価はそのままに人数を減らす方向だ。大阪の公務員の賃下げの話でも判るとおり、賃金は既得権に近い感覚で捉えられている。そのため賃下する場合は大きな労力を伴う。よって切り易いところから切るという手段が用いられ易くなってしまう。

というか、「広く浅く」という対処方法は、長い目で見ると「全員死亡」になってしまうことの方が多いだろう。それなぜかと言えば、わけもわからんところが保護することでますます弱くなってしまい、さらには本来死ななきゃいけないところも生かしてしまうからだ。一部だけでも生き残しておかないとみんな死んでしまう。それが強い種であればなおいい。「正社員=強い種」ではないのだけれど、一部だけでも生かしておく為に誰かに外れてもらうのはやむを得ない話だろう。外された人にとっては理不尽だけど、その「外す人」を誰にして何人にするのかなんて話で外野が盛り上がったってしょうもないだろ、と思うのは俺だけだろうか。



ブログランキング・にほんブログ村へ
posted by oyajiman at 2008年12月24日 22:30:00



コメント

コメントはありません

トラックバック

トラックバック
このエントリにトラックバックはありません
このトラックバックURLを使ってこの記事にトラックバックを送ることができます。 もしあなたのブログがトラックバック送信に対応していない場合にはこちらのフォームからトラックバックを送信することができます。.

コメントする