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2004年09月23日

リスクとリターン

[こんな仕事やってらんね]
一般的にリスクの大きいものはリターンも大きいと言われているが、商売においてそれは多分嘘である。単にリターンを読みきれないだけで、それをリスクが大きいと言い訳しているに過ぎない。リスクの大きいものはダメージも大きいだけで、リターンが大きいわけではない。また、そのリスクに対するダメージ、リターンもある程度予想できるのが普通で、最悪のケース、最良のケースは最低限判断できるはずだ。

リスクが大きいがそれにかけるんだといえば格好はいいが、それは単なる無謀でしかない。要は一番良いリターンしか頭に無いだけだ。宝くじを買ったら一等が当ると思い込んでいる愚か者と同じレベルでしかないのである。こういう判断しか出来ない経営者に使われる者は悲惨である。こういう経営者に限って、頭でっかちの理論を重宝がる。そうして最大限のリターンを夢見るのである。しかし、その理論をアドバイスするものはリスクを最小限にとどめることしか考えていない。しかもそのリスクとは、判断する側のリスクではなく、アドバイスする立場としてのリスクであることが多く、結局判断を誤らせる結果となってしまう。

例えば、倒産の危機にある会社の最悪のシナリオは「破産」である。破産させない為に民事再生法や会社更生法による法的措置、私的整理による措置などが考えられるが、その内容は多種多様である。当然、会社にとって最良な手段を模索することになるのだが、ある方向で進んでいる段階で、もっと良い手段があったとした場合、会計士・税理士・弁護士などは、方向変換によって今進んでいる事が壊れることを恐れる。そのため、経営者からアドバイスを求められた会計士・税理士・弁護士は、自分のアドバイスによっておかしくなることを極端に嫌い、「リスクが大きいのでは」とアドバイスする。いくら良い手段であってもである。全ての人がそうだとは思わないが、立場のある人間が考えることなんてそんなもんである。自分で決定できないからといって、そんな人間にアドバイスをさせる経営者も同じだ。結局自分で「決断」というリスクを背負い込みたくないのだ。最悪は「破産」しかないのである。それなのに、自分の会社の行く末も決断できないのであるから、倒産状態になるのも当り前である。

また、倒産の危機にまで直面した会社の建て直しは、それなりの人間でなくては出来ない。大きな病気にかかったら医者にかかるのと同じだ。その医者がやぶ医者なのか、名医なのか、その判断くらいは経営者自ら行わなくてはならない。その判断も出来ない経営者は、言うまでも無く経営者失格である。

「リスクが大きい」、なんと都合のよい言葉であろうか。

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posted by oyajiman at 2004年09月23日 21:32:19



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