少し前の話だが、会社の予算作成に際し、担当別に売上の見込みを出してもらった。フォーマットは特に決めていなかったので、営業責任者にフォーマットを作らせ担当に記入させた。俺は数字の取りまとめは営業責任者に丸投げ状態だったので、どんなフォーマットにしたのかは全く気に留めてもいなかった。
いざ数字が出てきたら全く足りない。どんな作り方をしたんだと思って確認したところ、数字の中身もさることながらそのフォーマットを見て愕然とした。そのフォーマットは月別にシートが分かれ、そのシートの中でも項目がわかれていたのである。
こんな感じ
まぁ一般的にはよく見る感じかもしれん。だが、こういう表には大きな欠点がある。
ここでどんな作り方が良いのかを例にあげて悪い点を説明しよう。良いフォームはこんな感じだ。
■入力フォーム■
■集計フォーム■
これらはなにが違うのか。それは大きく分けると3つある。
1、データの修正、転用
2、入力数の制限
3、汎用性
具体的に説明しよう。
1、データの修正、転用
悪いフォームはデータが月別にぶつ切りにされている。そのため修正には手間が掛かり過ぎる。例えば、4月に入っていた案件を5月に移そうとすると、4月の案件を消して5月に新たに入力しなければならないことになる。良いフォームならデータシートの発生月を変えるだけでOKだ。また、他にデータを引っ張ってこようとした場合、月別にデータがわかれているため見難いし探しにくいものになってしまっている。
2、入力数の制限
悪いフォームの場合、無駄に印刷した場合などの出来栄えも考慮しているため、一ヶ月当り20件とか入力できる数に制限がかかっている場合が多い。これを超える場合は列を追加したりするが、そうすると各シートでの合計が入っているセルの番地が変わってしまい、別途集計をする場合などにかなり手間がかかる。良いフォームの場合は順不同で付け加えていくだけで勝手に集計してくれる。
3、汎用性、連続性
悪いフォームでは売上予測にしか使えないが、良いフォームにした場合、データに決定売上等を追加するだけで実績管理表にも転用できる。また、悪いフォームでは単年度でしか使えないが、良いフォームの場合はずっと使い続けることが出来るので、過去実績との対比も簡単に出来るようになる。
とにかく、データを作成・集計する場合には、そのデータの汎用性と連続性を十分考慮しなくてはならない。今ではデータベースを使うのが一般的であるが、データベールはこのデータの汎用性と連続性が高いから重宝されているのだ。だから、excelを使う場合においてもその思想を取り入れることが重要だ。
しかし、残念ながら
excelは単なるワープロもどきに扱われ、本来の機能は忘れ去られている感じがする。だから悪いフォームのような表になってしまうのだろう。少し工夫するだけでトンデモなく効率が上がるのにね。