知らぬは客ばかりなり 外食産業実はこんなふうに作ってます 一覧表付き 生姜焼きから、ネギトロ、クリスマスケーキまで | 賢者の知恵 | 現代ビジネス [講談社]
これを読みながら「これってみんな知ってるんじゃないの?」と思ったが、違うのかな? 牛脂注入肉は10年以上前からあるし、結着肉なんてのはもっと前からある。ナゲットなんて食べてみれば純粋な鶏肉じゃないのはすぐわかるだろうし、ハンバーグのようなひき肉は何が入っているかわかったもんじゃない。肉まんもしかり。
玉子焼きに使う液卵は、見ると結構びっくりするのだけれど、なにせ長持ちするので重宝だ。これをだしで薄めた「茶碗蒸し用卵液」だってある。得体のしれないものがあるから、加工品は規制が厳しいのだと思ったほうが良い。「えー、そんなのが材料なの?」と言うべからず。ヘタに手作りするより衛生面ではずっと安全だったりする。だから弁当屋とか仕出し屋のようなところはこういうのを頼る。
米を炊くときに入れるのが炊飯添加剤。これの効果はかなりすごくて、これは家でもご飯を炊く時に少しサラダオイルを垂らして炊いてみればなんとなくわかってもらえるんじゃないかと思う。マジでツヤツヤのワンランク上の米みたいになる。今までの冷凍だと、クリームは解凍するとベチャベチャになったものだが、いまの冷凍技術ではクリームも劣化しないらしい。だからケーキ工場では仕上げまで行って冷凍して保存だ。
食い物はどうしても痛むので、加工と保存技術がとても重要になる。これがダメだとロスばっかりになっちゃうからね。そのおかげでいつでもそれなりに安定して物が食えるわけだよ。昔に比べたら工場の衛生状態も格段に良くなっただろうし、なにより味と品質を重視しているから、菌や異物混入はもとより、できるだけ素材を活かして添加物を少なめにという流れになっていた。これをぶち壊したのが、いわゆる「価格破壊」のたぐいの商品。いまの日本であれば、優れた品質管理と加工技術、それに冷凍・冷蔵技術で、かなりのレベルで食品加工ができる。だけどチョットだけ高くなる。その価格差のメリットは十分にあると思うのだが、それをうまくアピールする小売店はあまり無いような気がする。安く仕入れて高く売りたいからね、小売は。
というか、どう見ても「この値段じゃあり得んよね」みたいなのはそれなりなんだよ。そんなのわかってるクセに言わせんな恥ずかしい。