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2011年05月22日

少量多品種という罠

[つれづれなるままに]
「今求められているのは少量多品種である」と言われるようになってから久しい。爆発的なヒット商品が生まれにくくなっている今、大当たりよりたくさんの小当たりを狙う商法に切り替わってきているわけだ。確かに少量多品種であれば差別化もつけやすいし、下手な鉄砲も数打ちゃ当たることもあるだろう。

この少量多品種、小さな会社は根本的な考え方を間違えている場合が多いように思う。

陥りやすい罠は商品数だけに目がいってしまいがちなことだ。たくさんの商品を抱えると、大体は在庫が増える。そして商品の回転率は落ち、デッドストックが増えていく。で、在庫処分のために安売りしたりして本末転倒な結果になりがちだ。

特に食品関係というか外食産業では要注意で、「たくさんの種類の商品を作るために」とありとあらゆる食材を揃え出す奴がいる。これが始まるともうサイアクである。使いまわしの効かない材料がどんどん増えていき、倉庫や冷蔵庫はあっというまに使いかけの材料で満杯になってしまう。この罠に陥りやすいのは、何でも作れてしまう職人が多い。自分の技術を出さなければならない少量多品種はオーダーメイドに近いのだから、それなりの価格設定をしないと労務費とか材料のロスとかをそのままかぶってしまう。

このあたりは大手企業の手法をよーく見習った方がいい。大手は根本的な部分は統一で、本のちょっとしたところを変えてバリエーションを多く見せている。車ならばちょっとしたオプションや車体の色だし、ファミレスならトッピングやソースと単品の組み合わせでバリエーションを演出している。

コストを下げる基本は大量生産しかないのである。その事は絶対に忘れてはいけない。それを前提に大量生産のパーツの組み合わせでコストを引き下げ、少量多品種に見せる。このことを忘れて少量多品種を目指すのであれば、結果は見えているとしか言いようがない。コストは材料と手間暇の掛け算でしか無いのだから。

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posted by oyajiman at 2011年05月22日 23:00:00



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