「“ゲーム機”「iPhone」が 市場を席巻する日」という、なんかフーンな感じのする記事があったので読んでみた。
“ゲーム機”「iPhone」が 市場を席巻する日(前編):日経ビジネスオンライン
“ゲーム機”「iPhone」が 市場を席巻する日(後編):日経ビジネスオンライン
言いたいことは判らなくもない。だけど、一日350万本というダウンロード数は全世界レベルの話。かつ、本体3700万台で一日350万本のソフトということは、一台あたりにすれば10日で1本、一ヶ月で3本のソフトのダウンロードだ。金額にしたら500円〜1000円くらいだろうか。これって多いか?
さらに価格も105円から1000円となると、売る側にしてみれば105円のソフトが10万本売れても1050万円にしかならない。これじゃプロは食っていけないような気もする。ハードの制限から大掛かりなソフトは作れないし誰も欲してもいない。手軽に短い時間でちょっとだけ楽しむ。その価値(代償)が105円~1000円という事でしかないように思う。
ついでに言うと、この「安近短」みたいなコンセプトはDSやWiiも同じなわけで、性能のさほど高くない物は価格の安いものに置き換えられていく可能性が否定できない。つか、ちょちょちょで作れて本当に面白い物であれば、他のマシンにだってすぐ移植されるはずだ。でもPCにはそんなのほとんど流れてこない。それはなぜかというと、たぶんiPhoneのUIとAppleStoreにあるんじゃないかと思う。UIは大きなアドバンテージにも見えるけれど、他が追従できるレベルだろうから実は大したことない。やっぱりAppleStoreという仕組みがキモなんだろう。
一方では「ここまで高性能なゲーム機必要?」と思われたPS3は、徐々に身近な存在になりつつあるような気がする。時代が追いついてきたってところだろうか。まぁ、PS3とてBlu-ray Discより大容量のものがぼちぼち出てきそうなのでその優位性は危ういものかもしれないが、まだまだ「高性能」な箱なのだ。そのイメージされる価値は依然として高いと言わざるを得ない。
簡単に言っちゃえば、iPhoneのゲームに求めているのは「タダ同然でちょっと面白くて暇つぶしができる」ってものだろう。それだけでiPhoneがゲーム市場を席巻する日は来ないと思うよ。