先日、平成教育委員会を見ていたら、給食の時間にいつもと変わらず霜降り牛がでた。日本人の霜降り信仰はほとんど崇拝のレベルに達しているといって良いだろう。一枚2万はするというその肉をうまそうにほおばる回答者たち。
うわー、やわらかーい!!
お箸で肉が切れる。幸せ!!
などとたわけたことをほざいている。
まずいっておくが、霜降り肉とは筋肉繊維の間に脂肪が入り込んだもので、普通に生きている生き物にはあまり見られない肉質なのだ。そのことをわかっているのか。いわば
奇形肉ってことだ。確かに霜降り牛の歯触りは通常の肉からは想像できないシャクシャクという食感がある。若干の歯ごたえはあるが、数回噛んでしまえばその形はほとんどなくなってしまうほど柔かい。なぜ柔らかいのか。それは組織の間に油が入っているからで、筋肉繊維自体が柔らかい訳ではない。
そもそも肉というもの、よく噛むことでたんぱく質をアミノ酸に分解し、そのアミノ酸のうまさを味わうもののはずだ。その点では噛めば噛むほど味の出るするめに近いと言って良いかもしれない。霜降り牛なんて、本来の赤身肉の持つうまさなどもちあわせていないのである。
だから、さきのような会話にはいつも
うわー、やわらかーい!!
そりゃ油だもの。柔らかいさ。
お箸で肉が切れる。幸せ!!
柔らかいのがそんなにいいんだったら、なんでもミンチにして食えやこのヴォケが。
などと一人ツッコミしている俺である。
いや、まじめに日本人には柔らかいものと白いものがうけるんですよ、ええ。それさえ出しておけば間違いなし。