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2007年05月19日

好奇心と恐怖と嫌悪感を利用した報道は素敵だ

[つれづれなるままに]
つい先日、「母殺した」 少年が切断した頭部持ち警察に自首 福島という見ためが非常にセンセーショナルな事件があった。こういった事件は、恐怖や嫌悪感からか特異な目で見られることが多い。しかし、現象面だけから見た場合、そんなに特異な事とは言えないように思う。例えば俺にもこんな経験がある。
そいつはうるさかった。俺の回りでずっとやかましくしていた。うるさいと何度か言ったのだが、聞く耳を持っていないのか、一向におとなしくなる気配はなかった。

目障りでしかたがなかった俺はかなり我慢していたのだが、ついに耐え切れなくなり俺は手を上げた。しかし、俺の渾身の平手は見事にかわされてしまった。かわされた悔しさで怒りが頂点に達した俺は、側にあった棒のようなものを手に持ちそいつに向かっていった。この攻撃も何度かかわされたが、ついにその一撃がそいつを捕らえた。そいつは一気にひるんだ。俺は狂ったようにそいつを殴った。殴って殴って殴りつづけた。

見ると、そいつの顔は半分潰れ、頭からは脳漿が出ていた。腹からは内蔵がはみだしている。すでにそいつは息絶えており、ぴくりともしない。それでも怒りは収まらず、俺はそいつの死体を何度も何度も踏みつけてやった。ざまあみろだ。

そいつとは「ハエ」のことである。ハエたたきで見事殺すとこんな感じになる。ハエの頭がもげたり、かなりひどく潰れてしまったり、バラバラになって飛び散ったりする。ハエにしてみれば、突然わけもわからぬまま首が飛んでしまったという感じだろう。

俺はゲジゲジとかが風呂場に出たとき、そのゲジゲジに熱湯をかけて殺す。殺されたゲジゲジにしてみれば、空から突然熱湯が降ってきて一瞬にして死亡するのである。虫を殺すとき俺には当然虫に対する嫌悪感があり、殺した後は気分爽快である。

現象面だけから見た場合、この虫と人は違うのか?ということである。この虫殺しを肯定するなら、人間を虫のような存在と感じる「何か」がいた場合、人間がその「何か」に虫けらのように殺されることを認めているようなものだ。そしてその「何か」は、人が虫を殺しても平気なように、人を殺してもなんとも思わないだろう。殺虫剤のようなもので一度に大量に殺されるかもしれない。

スーパーなどで「魚」を見たとき、人はなぜグロテスクと感じないのかとても不思議である。魚といえど結局は死骸である。死骸がずらっと並んでいるのだ。それも生きているときとほぼ同じ姿でだ。

食人の習慣がもしあったとしたら、スーパーには牛や豚と同じように人の死体が並ぶだろう。頭、腕、足、胴体、内蔵…それぞれが切り分けられたりして並べられるだろう。冷蔵ショーケースに並べられた人間の肉を想像して欲しい。食人の習慣があれば、そのような死体を見ても誰もなんとも思わないばかりか、おいしそうと感じるはずだ。

牛や豚などの家畜は、殺してくれる誰かがいる。自分で殺せと言われたら、それが出来るかどうかわからない。小さな虫を殺すのは平気なのに、大きな生き物になればなるほどその死に遭遇することには恐怖が伴う。これは誠に不思議である。幸い俺は自分の手で牛や豚を殺す必要は無い。対価を払えばその死体の一部を労せず手に入れることが出来る。しかし、その一方では誰かが俺の代わりに生き物を殺し、誰かが死体を解体しているのだ。しかし、牛や豚の肉を見ても、そのことを想像することはあまりない。それはなぜなのか。多分、多少なりとも嫌悪感や罪悪感があるからに違いないと俺は思う。

もっとはっきり言えば、このようなセンセーショナルな話題が賑わうのは、自分では出来そうにもないことを想像し、恐怖や嫌悪感を感じたいためだと思うのだが如何か。犯人の精神状態をもっともらしく分析するなどして、公然と話題に出来る言い訳を作っているが、結局は俺を含め、どのように首を切ったのかを想像し、切り離された頭をバッグに入れ持ち歩く姿を自分に置き換え、植木に埋まった腕を思い浮かべ、そしてその恐怖や嫌悪感で自分を刺激したいだけではないのか。そんな状態をよく知りながら、「人を殺してはいけない」とか「なんでこうなったのか」なんて正義の味方のようなふりをする確信犯的なマスコミはほんとうに素敵だよな。



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posted by oyajiman at 2007年05月19日 08:19:00



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