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2004年06月17日

会社の中に債権者がいる

[こんな仕事やってらんね]
ある会社のお話。その会社は売上に匹敵する規模の負債があり、その負債が非常に重い状態です。収益は一向に改善されず、経営状況は厳しくなっていく一方です。そこでこの会社は応援を頼むことにしました。要はM&Aです。

当然、銀行に対して債権放棄の交渉に入るわけですが、この場合、原理原則からいえば負債を可能な限り軽くすることがその会社の将来にとって必要なことなのは、誰が見ても明らかなことです。無論、債権者にばかり無理を言うことはできませんので、その落しどころを見つけることがとても大事なこととなります。

債権放棄をしてもらう場合、債権者と債務者の話し合いになるわけですが、債権者と債務者の利害はまったく反するものであり、2者で合意なんてことはまずありません。片方はまけろ、片方は返せですから、当たり前のことです。ですから、通常は第三者を入れての話し合いになります。これが裁判所であれば法的な手段、つまりは民事再生法か会社更生法になり、私的整理の場合には弁護士なりスポンサーなりが間に入るわけです。

さて、債権者側は可能な限り債務を減らしたいわけですが、ここにもし役員として債権者側の人間が送り込まれている場合、話は厄介なことになります。この人たちは名目は債務者側の人間ですが、実際は債権者側の人間です。当然債権者に有利な条件になるよう、いろいろな手段を持ってあれこれ言ってきます。会社の再建などより、債権者の方を優先するわけです。この人たちにとっては、債権者の会社やその従業員なんてどうでもいいのです。

人間、最終局面になると地が出るものです。今までいくらいいことを言っていても、結局は味方じゃなかったと、経営者はこの時点でやっと気がつきます。しかし、気がついたときには既に時遅しです。

中小企業の経営者の方々に一言申し上げたい。どんなに資金状況が苦しくとも、銀行からの出向者、特に経営ボードに人材を受け入れるのはやめるべきです。そこまで受け入れなくては融資が得られないのであれば、融資を断ったほうが身のためです。担保差し入れと個人保証で、必ずやぺんぺん草も生えない状態にまで持っていかれること、確実です。事業の収益性をきちんと見れるのであれば、収益弁済でOKなはずで、担保や個人保証なんてそんなに必要ないはずです。しかし、その肝心なところが読めないため、確実性の高い担保となるのです。つまり、担保になる資産を持っている金持ちでなくては銀行から金を借りてはいけないのです。しかし、資産があるのなら、借りずに現金化したほうがましでしょう。その場しのぎの金で会社の体質が変わることはまずありません。収益性を上げるため、収益性の高いところに資源を集中させ、他をやめるなり売却するなりして資金創出を図るべきです。もっというなら、本当の資金の流れを確実につかんでください。どこかに穴があいているはずです。そこをふさぐだけでもかなりの資金は捻出できます。

銀行は所詮金貸しです。経営を立て直すことはできないと思ったほうが賢明です。銀行から人を受け入れた場合、にっちもさっちも行かなくなります。なぜなら、改善はできないくせに数字のあれこれだけはうるさいからです。出た結果のみについてあれこれ言いますし、言うだけならまだしも、もっと詳しい資料を出せとせかすため、商売に割く時間がどんどん減っていきます。分析も出来ないし処方箋も書けないくせにです。帳票や資料で経営は改善しません。実施が伴わないからです。こ難しい理論より、簡単な目標と明確な実施指示、ならびに実施の検証です。俗に言うPlan Do Seeが伴わなくては、何ら変わらないのです。経済学者が商売で大成功したと言う話はあまり聞きません。銀行だってそれと同じです。机上の理論と実践は全く違うものです。帳票だけで判断・改善できるんだったら、潰れる会社なんてありません。危ない会社が銀行から人を招き入れると言うことは、金貸しに全て持っていかれる準備を自らすることと同じで、自分の墓穴を自分で掘るようなものです。経営に金融機関を関与させてはなりません。

しかし、銀行はもう少し体質改善は図れないものですかね?人の金を右から左に動かして利ざやを稼ぐ、言うなればもっとも下賎な商売の癖に、自分たちの方が上と思っていること自体思い上がりもはなはだしいと言わねばなりません。少しは自分で稼いでみたらいいんじゃないかと思います。自分で商売できるかどうか、試しにやってみたらどうですかねぇ。みんな潰れると思いますけど。だから外資系のファンドにいいようにやられるんだってば、ホント。もう少し勉強しなさい。

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posted by oyajiman at 2004年06月17日 17:00:18



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