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2006年02月01日

IT化はBlackBox化だ

[うんちくん]
静かなオフィスに突然訪れる危機:IT Pro
俺は常々、小さい企業のビジネスでのIT化はBlackBox化でしかないと思っている。丁度いい記事があったのでリンクしておいたが、IT化なんて、規模の大きくないところにとってはそんなにメリットのあるものではない。

現段階ではペーパーとディスプレイの情報量・利便性の差がありすぎる。ペーパーの情報量はとてつもなく多く、また、ある一定量までの視認性、携帯性もディスプレイと比較するまでもない。

検索にしてもそうである。例えば顧客台帳。たかだか数千人の顧客台帳であれば、カードで保存管理していた方が実態としてイメージも湧くしメモも都度書き込めるので非常に便利だ。

これをIT技術の中に置き換えてしまうと、そのとたんに情報がBlackBoxの中に放り込まれてしまう。情報の共有がしにくくなるばかりでなく、その情報管理に費やすコストたるや半端なものではない。

ただ、そのオールドスタイルだけに固執していては、その後の広がりがないのも事実だ。だけど焦ってIT化なんてする必要はないだろうと思う。

現物が電子情報に置き換えられていくたび、人間はその重みを忘れていく。100万円の現ナマを手にしたら普通は多少心が揺らぐだろうが、銀行振込された100万の数字を見てもそんなに実感は湧かない。カードで買い物、株の信用取引、全てがそうである。実態をイメージできなくなればなるほど、人間の感覚は麻痺していくものだ。

逆に現物を見せられた時の効果は思った以上にある。人件費を下げたいと思っている中小企業は、是非一度現金で給料を渡してみて欲しい。給料が少ないと言う人間が減ること間違いなしである。かといって昔のように給与を現金で支払うなんて、もう誰もやらないだろうけど。

人間は五感を使って情報を判断するのだから、その情報の一部が欠けてしまっては判断の誤りは多くなっていって当り前。なれた人なら、コンピュータから発せられる少しの情報の差を感じ取れるかもしれない。しかしそれは職人が物の差を一般人より敏感に判断できることと同じ職人芸なのだ。今のコンピュータでは、全ての人が五感を補えるだけの情報発信は不可能だ。

IT化なんて、高望みしちゃだめだ。コンピュータはあくまで道具という感覚でいる必要があるのを忘れてはいけないだろう。

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posted by oyajiman at 2006年02月01日 01:14:00



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